写真を構成する要素の半分は撮影される皆様のイメージの世界ですが
それを支えているのが残り半分の科学の世界です。
現像処理は化学反応です。
ですから薬品の濃度と温度と処理時間に左右されます。
処理温度と処理時間については、現像機の管理徹底で安定化は可能です。
ただし、現像本数が激減した今では、薬品濃度に関してはよほどしっかりとした
品質管理を行わなければ正常で安定した現像性能は得られません。
弊社ではコントロールストリップスフィルム*を、現像本数が少なく最も条件の悪い
毎週末に現像し、メーカーに送り、感度・諧調・かぶり濃度などの写真性能を測定し、
その数値の写真性能管理グラフをもとに、変動傾向を見て対策が必要な場合には
アクションをとるというデータ管理を行っています。
(このデータとアクションについては下記の今週のコンストをご覧ください)
また、一日の処理をできるだけ平均化するために時間差処理を行ったり、
現像機タンク液面レベル管理での補水や、処理本数が極端に少ない日などには
未使用フィルムを露光して現像するなど、日々の細かい取り組みも行っています。
*コントロールストリップスフィルム
…メーカーで一定の露光量で露光された現像性能確認用の未現像生フィルム

【1】フィルム現像
処理薬品:コダックフレキシカラーC41RA純正
ISOのカラーネガフィルムの基準現像液はコダックC41処理であり、世界標準であること。
また現像性能維持のためのコントロールストリップス測定等についての
メーカーバックアップが大変親切なため、現在はこの処理を採用しています。
処理機器:ノーリツQSF-V50
頑丈で安定性が良く、タンク容量も適当で処理本数による一日の現像性能の変動幅が最小限に抑えられるためです。
(小型の機械では処理本数による変動幅が大きくなる可能性があります。
また、大きな機械になると弊店では処理量が少ないため、現像液の管理がほぼ不可能になるためです。)
【2】プリント処理
処理薬品:コダックフエクタカラープライムSP純正フィルム
現像処理薬品と同様の理由で採用しています。
処理機器:ノーリツQSS-2901
基本的にはデジタル露光方式ですが、プリントの仕上がりがアナログプリントに最も近く、
諧調がなめらかに再現されるので現在も使用しています。
【3】使用ペーパー
コダック・フジともに純正ペーパーを使用しています。
また、写真館様むけにLサイズからワイド四つ切サイズまでの
プロ用ラスターペーパーもご用意しています。
フジカラーペーパーとコダック処理とのマッチングについては、
弊店独自にプリント条件を出して対応しています。
また、同プリントの耐退色性についても独自に光退色テストを行って
十分な耐退色性能があることを確認しています。
(光退色テストは現在も継続中です。)
安心してご注文いただける自信を持っています。
写真を構成する要素の半分は撮影される皆様のイメージの世界ですが、
それを支えているのが残り半分の"科学の世界"です。
特にフィルム写真では現像やプリント処理といった科学の部分が絶対必要となります。
私たちはその部分を担当しています。
データと経験と写真に対する愛情を持って、これからもお客様の影の力となってお支えしたいと思っております。